【千香子の闇夜の部屋 vol.30】
第一章 株と相続・事業承継
◆第三項 「自社株の後継者への集中」(4)公正証書遺言
今回は「公正証書遺言」についてお伝えしていきます。公正証書遺言は遺言者が証人2名と共に公証役場に行き、公証人に遺言内容を口述し、公証人が筆記して作成します。
士業や銀行などを介して公証人に相談・作成を依頼するケースや、士業・銀行などを介さずに遺言者や親族が公証役場に電話やメールでやり取りをする、公証役場に予約を入れて公証人に直接作成依頼をするケースなどがあります。
それでは「公正証書遺言」のメリット・デメリットについてお伝えします。
<メリット>
① 公証人が関与するので無効になりにくい
② 争いの種になりにくい
③ 公正役場で原本を補完するので紛失・隠蔽などのリスクがない
④ 発見されやすい(遺言検索サービス)
⑤ 検認が不要
⑥ 公証人が自宅や病院に出向いて作成してくれる
⑦ 文字を書かなくても作成できる
<デメリット>
① 費用がかかる
② 手間がかかる
③ 証人2名が必要
証人に資格は必要ありませんが、受遺者・推定相続人の配偶者や直系血族、受遺者の配偶者や血族は証人にはなれません。身近に証人が見つけられない場合は、公証役場で探してもらえるとのことです。
また「秘密証書遺言」という方法もあるそうです。秘密証書遺言とは、遺言書の内容を秘密にする方法で、遺言の内容を公開せず、遺言書の存在を知らせることを目的とされた遺言書とのことです。
ですので、メリットとしては
- ① 誰にも遺言の内容を知られることがない
- ② 署名と押印のみ自身で行えばその他の内容はパソコンで作成できる
そうです。しかし発見されないリスクがあったり、無効になるケースが多いのでしょう、あまり利用されていないそうです。
遺言書を作成するとなると細かな内容になるので、遺言内容を確実に作成するにはやはり専門知識のある弁護士などにお願いするのがベストかと思います。