札幌市内で2023年11月に発生したタイヤ脱落事故で、幼い女の子に脱落したタイヤが直撃し、2024年10月時点でもいまだに意識が戻っていないとのことです。ニュースにならないほどのタイヤ脱落事故は数知れずあるはずです。
タイヤ脱着作業から1ヶ月以内の事故が53%
国土交通省が発表した「令和4年度大型車の車輪脱落事故発生状況」では、2022年度 大型車の車輪脱落事故が142件あり、そのうちの約53%の53件が、タイヤ脱着作業から1ヶ月以内に発生した事故とのことです。
また、タイヤ脱落事故は過去10年間で約12倍に増加しており、なおかつ北海道、東北、北陸など雪の多い地域が多いという結果です。
事故防止のための5つの行動
国土交通省では、「お・と・さ・な・い」の徹底で、タイヤ脱落事故防止キャンペーンを実施しています。
①お:おとさぬための点検整備~事前の正しい点検が大きな事故を未然に防ぐ唯一かつ最善な手段
②と:トルクレンチで適正締付~適正なトルクレンチによる規定トルクの締め付け、タイヤ交換後の増し締めの実施
③さ:さびたナットは清掃・交換~ディスク・ホイール取付面、ホイール・ナット当たり面、ハブの取付面、ホイール・ボルト、ナットの錆やゴミ、追加塗装などを除去
④な:ナット・ワッシャ隙間に給脂~ホイール・ボルト、ナットのねじ部と、ナットとワッシャのすき間にエンジンオイルなど指定の潤滑油を薄く塗布し、回転させてなじませる
⑤い:いちにち一度は緩み点検~運行前に特に脱落が多い左後輪を中心にボルト、ナットを目視や直接触るなどして点検
警察でも、タイヤ脱落は重大事故につながる恐れがあることから、走行中にハンドルがぶれるなどの異変を感じたら直ちに走行をやめて、ナットの締め付けを確認したり、タイヤ交換後は、50キロから100キロの走行を目安にナットを締め直す作業を徹底するなど注意を呼び掛けています。
最後に
タイヤ交換は自家用車であればご自身で行う方もいらっしゃいますが、上記項目をすべてご自身でチェックすることは簡単ではないかもしれません。これを軽視していますと重大な事故につながるおそれがあります。冒頭に触れましたが、点検の不備や不注意は事故を招き、被害者の方、そのご家族の人生、そして自分自身の人生も大きく変えてしまう結果になりかねません。業務用車輌はもちろんのこと、自家用車についても弊社のような指定工場でタイヤ交換、点検を実施することをおすすめします。