【千香子の闇夜の部屋 vol.31】
第一章 株と相続・事業承継
◆第三項 「自社株の後継者への集中」(5)金庫株
今回は後継者以外の相続人が自社株を相続した場合、会社がその自社株を買い取ることで、後継者に経営の集中を図る「金庫株」についてお伝えします。
皆さんは「金庫株」って聞いたことありますか?
私は事業承継の話が具体的に進むまで、詳しく知ることがありませんでした。
実際、事業承継の話が進む中で相続人以外の非同族関係者等が株を保有していて、その株をどのように相続人に集中するか大きな課題となりました。
事業承継の話が進む中で「金庫株」について具体的に知ることになったわけですが、後継者の納税資金対策に機能することが判りました。
金庫株による相続対策は現在一般的な取引とされていて、資金調達や資金作りの手段として多く利用されているとのことです。
今回はその「金庫株」について大雑把にお伝えしていきます。
金庫株とは?
「金庫株」とは会社が発行した株式を、会社が自社株を買い取り、自社で所有する「自己株式」のことです。
経営者は、事業承継をするために保有する株式を後継者にと考えていると思います。
前項で述べましたが、自社の株式評価をすると、思っていた以上に株価が上がっていた方もいたのではないでしょうか。そこで、いざ株の相続となると「株式を取得する資金が足りない!!」ということに・・
このようなケースの際に、ひとまず流れを止めないために、現経営者の株式を会社が一旦買い取る方法があります。
会社が買い取った株式を自己株式=「金庫株」と呼んでいます。
「金庫株」には議決権がないため、後継者は少ない株式の保有でも議決権に影響の心配はありません。
※但し、少数株主などの株主数や保有割合は考慮すべきでしょう。
次回は「金庫株」のメリット・デメリットについてお伝えしますね。