9月1日は防災の日です。記憶に新しい能登半島地震では、今年1月1日に能登半島地下16㎞、M7.6、最大震度7を観測しました。震度7を観測したのは2018年の北海道胆振東部地震以来で、観測史上6回目の大地震でした。またつい先日の8月8日には「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」も発動され、防災の備えを見直す方が増えているようです。
異常気象による災害も増加傾向
防災というと地震や台風を想像する人が多いかもしれませんが、年々、大雨や大雪など異常気象による災害も増えています。台風の通過前に突風や竜巻が発生して屋根が飛ぶ被害が出たニュースもここ最近少なくありません。ゲリラ豪雨など異常気象は予測が難しく、車の運転時に突然発生することもあります。洪水等の際は車や家などへの浸水といった二次災害が懸念されますが、いつどのような状況で避難が必要になるかわかりません。徒歩での避難が難しい場合や、集団での避難が難しい場合は車中泊も一つの選択になるかもしれません。この時、車内に防災用具が備わっているか、防災に関する知識があるかが、生死を分けることもあります。
自動車での避難のメリット
- プライバシーが保てる
- 感染症予防になる
- カギを掛けれられるため防犯上安全
- 移動が迅速にでき、災害時に安全な場所へすぐに避難できる
- 車内で休息を取ったり、備蓄品を保管したりすることも可能
車中泊の注意点
- エコノミークラス症候群にかかる可能性がある
- ポータブルトイレを用意するか、トイレを借りられる滞在場所に行く必要がある
- 朝晩の温度差で体調を崩す可能性がある(低体温症や熱中症)
- 長期間の避難には適さない
車中泊の際に準備しておきたい道具
車中泊の際に役立つ防災用具をいくつか挙げてみましょう。
- 充電:充電コード、充電器
電源:モバイルバッテリーやポータブル電源 - ライト:懐中電灯、LEDランタン
- トイレ:簡易トイレ、尿瓶
- 防寒:ブランケット、非常用アルミ保温シート
- 医療:救急セット
- 食料:乾パンなど日持ちする食料、飲料(飲料水として1人1日1L)
避難生活ではトイレが大きな課題
避難生活ではトイレが大きな課題と言われます。すぐにトイレを使えない場所で避難を余儀なくされるかもしれません。あらかじめ用意しておきたいのは、ポータブルトイレ・携帯トイレです。乗用車にはコンパクトな携帯トイレがおすすめです。袋に凝固剤や吸水シートが備わっているものをあらかじめ準備しておくと良いでしょう。ご参考までに、日本トイレ協会は、簡易トイレの準備として「1人1日あたり5回を7日分」確保することを推奨しています。また、避難生活では思うように水が使えないことも想定されます。衛生のためにウェットティッシュを常備することをおすすめします。なお、ウェットティッシュは車内で保管すると温度差で水分が蒸発しやすいため、いざという時使えないということがないよう定期的に見直しすると良いです。消臭スプレーも用意しておくと良いでしょう。
車内の温度差をうまく調整するには
夜間や早朝の急激な冷え込みや、日中の車内温度の上昇に対応するため、断熱マットの使用やサーモブランケット、冬は冬季用の寝袋やカイロの準備をしたり、換気をすることが大切です。ただし、防犯の観点から窓をあまり開けすぎないよう注意しましょう。
エコノミークラス症候群のリスクを下げる方法
車内で過ごす時間が長くなると、どうしてもエコノミークラス症候群のリスクが高まります。足を動かしたり、4〜5時間に1度は車外に出てストレッチを行ったりすることが大切です。また、足を伸ばせるスペースを確保し、十分な水分補給を心がけると良いでしょう。
バッテリー上がりを防ぐために
ガソリンを節約しようとエンジンを掛けないまま室内灯やラジオを使うとバッテリー上がりの原因になります。ポータブル電源などを用意しておくと安心です。
防災の日は、そなえの見直しを
もしもの被災後、住宅が全壊もしくは半壊、停電で困ったときなど、避難場所として車を活用するケースもあると思いますので、車の中に備えておくことが重要です。緊急時に冷静に行動できるかは判りません。防災用具などは1年に1回、防災の日(9月1日)に見直すよう心掛けましょう。