【千香子の闇夜の部屋 vol.33】
前回までは後継者に事業を引き継ぐことを前提でお伝えしてきました。
今回から3回に渡って「番外編」をお届けします。
以前の記事「後継者を誰にするか?」P3で述べた第三者に事業を移転・譲渡する「M&A」について触れていきますね。
近年、私のまわりでは「親族が後継する意思がない」「親族に後継者がいない」「親族に後継させたくない」「第三者に経営権を譲ったほうが企業の継続につながる」等などの理由で譲渡する会社が増えてきているのです。
しかも運送業界では、まだ60歳前後という歳で会社を譲渡する経営者もいらっしゃいました。私が見る限りでは真面目で信頼される経営者なのに「何故?」と思いますし、残念でした。
ただ、その譲渡理由が「息子が安定した就職先に勤めているのに、未来の展望に兆しが見えない会社を継がせたくない」といった理由がほとんどでした。
また、自社よりも大手の会社に経営を任せたほうが社員の将来のためにも良いとの判断で「M&A」を選択する方もいらっしゃいました。
弊社のグループも数社「M&A」で事業を引き継ぎ経営しています。事業を引き継ぐので今まで働いていた社員は継続して働いて頂いています。
M&Aは、少し前までは「大企業による乗っ取り」とのイメージを持たれることが多いものであったと思いますが、近年は中小企業でも広く活用されてきていますので、企業存続の一案としてご検討されるのも良いかと思います。
ただ「M&A」は非常にデリケートに事を進めたい手法ですので、この手法を選択される方は、費用は高めですが「M&A」に詳しい専門家にご相談されることをお薦めします。
次回はM&Aの「吸収分割」についてお伝えします。