【千香子の闇夜の部屋 vol.24】
第一章 株と相続・事業承継
◆第一項 「後継者を誰にするか?」(3)
前回の記事(2)では子やその他親族が事業承継したときのメリット・デメリットをお伝えしました。
子やその他親族の場合は長期の準備期間が確保できるのが一番大きなメリットではないでしょうか。
しかし、この章の冒頭でも触れましたが近年では身内に後継者がいないという中小企業が増加傾向にあります。
【従業員への承継】
≪メリット≫
- 長期で努めてきた従業員は社内の業務に詳しい。
- 経営方針や理念を理解しているので社内の一貫性を保つことができる。
- 社内外との付き合いが維持できる。
《デメリット》
- 今までの立場とは違う立場になるため、必要な改革・改善が困難になるケースが生じる。
- 経営者としての資質を身に着けるには、ある程度の育成期間が必要となる。
法定相続人ではないので、株を譲渡されると贈与税が発生します。株の取得資金・贈与税の資金調達が必要になります。
【M&A】
mergers : (会社・事業の)合併 合同 acquisition:獲得
M&Aの意味は「合併と買収」で複数の企業が一つになることです。
《メリット》
- 売却先(後継先)を現経営者が探せる。
- 現経営者は売却益を得ることができる。
《デメリット》
- 希望する価格で売却できるとは限らない。
- 条件等で交渉がうまく進まない可能性がある。
- M&A仲介業者を入れると、決して安くない仲介手数料がかかる。
以上、「事業承継を誰にするか?」選択肢4パターンをご紹介しました。
中小企業は「大・中・小」に関わらず、事業承継と株は切り離せない大きな課題です。
経営者になったその日から、この課題は大なり小なり漏れなく発生します。
事業が熟成期に入ったら早めの対策をお勧めします。
自分の会社は小規模だからと言って安心しないでください!自分が思っている以上に株の評価って高いんですよ~(苦笑)
次回は株の評価についてお伝えしていきますね。